歯医者で治療を受ける際、最大の難関となるのが、ドリルによる虫歯削りです。
あのキーンという独特の高周波音は、待合室で聞いているだけで不快感を覚えますし、何より削られている最中のあの痛さと言ったらありません。
削り始めからいきなり痛い、ということはないのですが、いつ突如として激痛が走るか分からないことが、また恐怖なのです。
子供の頃は、恐怖と痛みに耐えられず、治療中は泣いていました。虫歯の痛み自体も嫌でしたが、歯医者自体も大嫌いでした。
ある時などは、ドリルを持つ先生の手を自分の手で押さえてブロックしてしまい、「もう来ないでください。」と治療を拒否されてしまいました。
さすがに、子供心に「あれはやり過ぎだったな」と反省しきりでしたが、それ程あのドリルが嫌だったのです。
大人になってからは、暫くは虫歯と無縁でいられたのですが、数年前、一本の治療済の奥歯が徐々に虫歯に侵されていきました。
既に神経を抜いてある歯で痛みがなかったため、放置していたら、ある日ポロっと折れてしまいました。
早速歯医者に行ったところ、ブリッジにする必要があるとのことでした。
ブリッジといえば、両端の良い歯まで削らなければならないので、気が重くなりました。
更には、検査の結果、なんと数本もの虫歯があることが発見されました。
特に痛みなどがある歯はなかったので、晴天の霹靂でした。
それからは、半年ほど歯医者に通い詰めの日々が続きました。
勿論、ドリルによる歯削りも、連日のように続きました。
大人になっても、やはりあの音と痛みは嫌なもので、今日は歯医者に行く日だと考えるだけで憂鬱な気分になりました。
全ての治療が終わった時は、憑物が落ちたような気持ちになりました。
その後、幸いにも虫歯は発生していませんが、あのドリルの恐怖を考えると、二度と虫歯が出来ないよう祈るしかありません。
投稿ありがとうございます。僕も歯科治療への苦手意識があるのでとっても共感できるお話でした。でも歯医者さんのほうから「もう来ないでください」とか言うんですね。治療を嫌がる子供をなだめて上手に治療をするのも歯医者の技術だと思うんですが、ちょっと酷い歯医者だなって思ってしまいました。子供の頃のトラウマが残って大人になっても苦手意識が取れないんでしょうね。
コメントを残す